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q遺産を巡る名義変更と相続放棄について

遺産を相続するための名義変更について

一人っ子の場合、遺産の相続は簡単だと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、実は一人っ子には一人っ子ならではの問題が生じる場合もあります。ここではそのような体験談を紹介します。

私の父は一人っ子です。そしてその親世代、私の祖父母の世代は法律などに疎い世代であり、精神論で勝負しようとするところがあるように思います。もともと遺産というものは兄弟で分配するものであり、兄弟がいれば揉めることがあっても、一人っ子ならば揉めないのではないかと思われることが多いです。しかし、兄弟で揉めることがなくても、親子で話し合いがうまくなされていない場合、遺産の相続がうまくいかないこともあると思うのです。
問題は祖父が亡くなる前から始まっていました。まず、そもそも私の祖父母は仏教でお墓を持っていましたが、私の両親と私はキリスト教の洗礼を受けていたため、一人っ子の父がお墓と仏壇を受け継ぐということが考えられなかったのです。お墓と仏壇は遺産の1部として考えられますので、私の両親は父がお墓と仏壇を継がなくても良いように、最終的には長女である私がお墓と仏壇を継ぐ必要がないように、いろいろ考えていたようでした。しかし、実は父が祖父母に「自分たちはクリスチャンになった」と明かすことができず、お墓や仏壇をどのように処理するか、ということを考えていました。
そして、さりげなく共同墓地に関する話を祖父母に持ちかけたのですが、やはり考え方の違いで、祖父母はそれをよく思っていませんでした。そもそも共同墓地というのは弔ってくれる人がいない人が行く場所、という印象があったようで、なんて親不孝者なんだ、といった感じで対応されたようです。しかし徐々にクリスチャンになったということを理解し、祖父が亡くなったことを期に、祖母は仏壇とお墓を処理することに決めました。共同墓地は嫌だと言っていましたが、お墓を高野山に移し、仏壇も魂を取り除く儀式を行い、扉を開けることさえしなくなりました。今まで毎朝のように仏壇の掃除をして祖母が、「それはただの家具だから」と口にしたときには、ずいぶん割り切ったものの考え方だと驚いたものです。
しかし、仏壇やお墓は遺産の1部ですから、しっかりと考えておかなければいけないと思います。遺産を継ぐという事は仏壇やお墓も継ぐということになり、最近は一人っ子同士の結婚の場合、どうするのかということで揉めますよね。両親が結婚した当初は、2人ともキリスト教になるなどという事は考えていませんでしたし、当然ながら父親が仏壇やお墓を継ぐものだと考えていたそうです。母はそこまで信仰心がなく、どちらかと言えば嫌だと思っていたそうですが、父はもともと仏壇や神棚がある家で育ちましたので、違和感はなかったようです。一人っ子の場合、否応なくそのようなものを継がなければいけないという義務のようなものが生じてしまうため、宗教が変わると非常に厄介だと思いました。
また、祖父が亡くなった時に祖母が名義変更をきちんとしていなかったことも問題になりました。万が一祖母に何かあった場合、既に亡くなっている祖父の名義になっているものは父が簡単に相続する、というわけにはいかなくなるそうです。祖母の名義になっていれば、祖母が亡くなった時にすぐに相続、ということができるそうですが、祖父の名義にしたままだと、まずそれを祖母の名義に書き換えなければならず、さらにそれを父の名義に書き換えなければならなくなるため、時間も手間もお金もかかります。しかし、祖父が亡くなった後、どれだけ父が遺産の話をしても、祖母は「どうせあなたのものになるんだから」「名義変更をしなくても他に兄弟はいないから大丈夫」と一点張りで、話を聞こうとしなかったのです。

つまり、法律に疎い世代だからこそ、「一人っ子だから大丈夫」などと断言してしまい、後々の世代に迷惑をかけることもあるということです。実際に祖父が亡くなり、もともと祖父の口座から電気代等の支払いをしていた祖母が銀行に問い合わせたところ、特に祖父の口座が凍結される事はないと言われたそうです。銀行なども商売ですから、亡くなった人の口座をいきなり凍結したりはしないそうですね。また、実際に歳をとった夫婦の片方が亡くなった時、それを理由に口座を凍結してしまえばもう片方に迷惑がかかるためもう片方がどのように処理をしたら良いのかわからない、などという問題が生じるため、凍結する事はしないそうです。そのため、祖父の口座が凍結される事はなく、祖父が亡くなった後もそのままそこから電気代等が引き落とされていました。だからこそ、祖母にとっては名義を変更する理由がなかったとも言えます。不動産も祖母の名義にはならずそのまま祖父の名義のまま月日が過ぎました。

そのうち私の祖父母の年代の人が病気などで亡くなっていく世代となり、父も友人の両親の遺産相続の話などを聞き、徐々に危機感を覚えたようでした。中には兄弟で遺産相続を止め、二度と兄弟には会いたくないなどと言った人もいたらしく、周りからは「一人っ子はいいなー」と言われたこともあったそうです。しかし、やはり名義をめぐるトラブルはどこでも起きるそうで、周りからも「名義の書き換えはしておいた方が良い」と勧められたそうです。
しかし、その一方で、父がどれだけ祖母に話をしても、祖母は祖父の名義を書き換えることがありませんでした。祖母は神経痛を患っていましたので歩くのが厄介だったという理由もあります。一人っ子としては父がしっかりと面倒を見てあげるべきだったのかもしれませんが、父の実家は我が家から車で4時間ほどのところにあり、簡単に行ける距離ではありませんでした。また父も定年や大人就職などという問題があり、頻繁に仕事を休む学校はいかなかったのです。名義変更等が絡むと平日に役所にいかなければいけないなどの制約ができますので、やはり現役世代にとって簡単なことではありません。そういう意味では、お年寄りが亡くなった時、もう少し何かしらのサポートがあると嬉しいなと思います。確かに行政書士等を雇う方法はありますが、素人にとってはそれ1つも大変ですよね。しかし、お年寄りであれば簡単に役所などに行くこともできないし、もう少し行政のサポートが充実しているとありがたいように思います。わがままかもしれませんが!

また、どれだけ祖父が名義変更をするように伝えても祖母が動かなかった理由の1つは、やはり自分の息子は一人っ子であり、自分に何かがあれば遺産は絶対に息子に行く、という安心感があったからでした。兄弟がいるのであれば、それなりに自分がしっかりしなければいけないと思っていたかもしれませんが、子供が一人っ子となれば、名義を変更しなくても大丈夫、という甘えがあったようです。また、何かあっても簡単に遺産が相続できるという気持ちもありました。これは完全な精神論ですが、「何かあれば法律は認めてくれるはず」「息子は1人しかいないんだから、法律も認めざるを得ない」といった考え方です。実際は、法律はそこまで簡単ではありませんし、きちんとした手順を踏まなければ行政は相手にしてくれません。しかし、祖母にそのような知識がなかったため、父がどれだけ説明をしても全く意味がありませんでした。確かに遺産に関しては父もわかっていない部分が多かったので、なんだかの講習会等があったらよかったのに、と漠然と思った記憶があります。

 

遺産相続に向けての動き

そんな中、とうとう祖父の名義を書き換えなければいけない時がやってきました。一人暮らしの祖母が倒れ、病院と警察から連絡が来たのです。
もともと祖母が生活していた地域では警察が一人暮らしの高齢者の自宅を巡回し、生存確認をしていたそうです。そのため、具体的に祖母がどれくらいの間倒れていたのかはよくわかりません。しかし、ある時警察が祖母を尋ねたところ、ドアを叩いても返事がなく、鍵が開いていたということで家に入ったそうです。すると散らかり放題の部屋からは異臭がしたそうで、そこでは祖母が意識なく倒れていたと聞きました。
どの程度祖母が倒れていたのかは病院でもはっきりとは言われませんでしたが、祖母が倒れていた畳は腐っていたと聞きました。そのため、たとえ意識があったとしても、もしかしたらシャワー等に立つ気力もなかったのかもしれません。一人っ子の息子がしっかりするべきだという考え方もあるでしょうしかし、父は頻繁に祖母に電話していましたし、実際に祖母は自分は元気だと伝えていました。ただし、考えてみれば子機などを使えば電話には出られますし、体が動かなくても会話はできます。そのため、電話だけでは意味がないのかもしれないと感じたものです。最近では、電気ポットのスイッチを入れると子供の家族に連絡が行く、などといったお年寄りの生存確認方法が人気を呼んでいますが、それがあって、座ったまま触れられる範囲に電気ポットがあれば体は動かなくても電源が入れられますから、「元気だ」という誤解をさせてしまうかもしれませんよね。

病院から連絡が入り、私の両親はすぐにそちらに向かいました。その結果、足腰がかなり弱っており、二度と家に戻って一人暮らしをすることはできないだろうという診断を受けたそうです。もともとベッドからも動けないほど弱っていたため、一体いつ退院できるのかもわかりませんでしたし、退院した後にどこの施設に行くのかなどということも明らかではありませんでした。しかし、これによって父は祖父の名義変更をしなければいけなくなります。いよいよ祖母が自宅に戻れない、体が弱っている、いつ何が起こってもおかしくない、という状態になり、遺産相続の問題がリアルに表面化していたのです。また、散らかり放題で異臭が漂っていた家屋敷も何とかしなければいけませんでした。これは祖父の名義になりますので、まず名義を書き換えなければ処分することもできません。しかし、名義を書き換えるためには市役所や金融機関に問い合わせ、様々な手続きをしなければいけませんでした。当時の父は第2就職をした後で、祝日もない状態で働いていましたから、そのためだけに休暇を取るのはなかなか大変でした。
そもそも市役所や金融機関に行くためには平日に行かなければいけません。先ほども述べた通り、我が家から実家までは距離がありましたから、日帰りで行けるわけでもなく、泊まりになります。そして実家は泊まれるような状態ではなかったため、ホテルに留まらなければならず、その分滞在費や食費もかかりました。正直なところ、私は業者に頼んでも良かったのではないかと思っていますが、両親は自分たちで家を片付けることにしたようです。もともときちんと整理整頓をして痛そうですが、体が動かなくなってあちこちにいろいろなものをしまいこんでいたらしく、それこそあちこちから現金が出てきた、ということもあったそうです。そのため、もしかしたら業者に頼むということに抵抗があったのかもしれません。
父は有給を使って頻繁に実家に通いましたが、その片付けもなかなかはかどらず、あっという間に有給を使い切ってしまいました。現役の時とは違い、有給を使ったり休暇を取ったりすれば収入に打撃が出ます。それでも片付けなければいけない以上、どうしようもありません。

名義変更等に関しても、まずは祖母の委任状を得てから行わなければいけません。なんといっても祖父の口座や祖母の口座を動かすわけですから、2人の同意が必要になります。しかし、もともと頑固だった祖母は委任状などに手を出したがらず、最終的には電話で、口頭で「息子に全てやってもらいます」と伝えてもらって金融機関から了承を得たそうです。確かに、金融機関にとっても顧客がそのような状態では商売になりません。しかし、だからといって「自分が息子です」と言って現れた人間に勝手に口座を動かさせるわけにもいかず、金融機関のほうも苦肉の策だったように感じます。さらに、郵便局などに行けばそれなりに時間がかかります。だからこそ、1階の往復で少しの事しか作業ができず、本当に時間がかかったようでした。

祖父の名義になっているものの扱いが難しいのは、本人が既になくなっているということです。祖母が名義変更するのであれば、自分の配偶者からの名義変更ですから本人への変更ということになり、そこまで難しい事はありません。しかし、父が祖父の名義を祖母に変えるという事は違う人間から違う人間に帰るということになりますので、親子であっても委任状等が必要になり、頑固な祖母を説得しなければいけなくなります。また、祖父の戸籍を取り寄せなければならず、確かに兄弟がいないこと、隠し子などが存在しないことを証明してから遺産を相続するという作業に入らなければいけませんでした。一人っ子だからと言って、簡単に相続できるというわけではありません。確かに確実に兄弟がいない、他に財産相続権を持つ人がいない、ということを証明してから作業に入らなければいけないようです。

さらに、祖母が亡くなったことによって父が全てを相続することになりました。祖母が入院している間に名義変更は既に済んだようで、金融機関などもしっかり手続きはされているようです。だからこそ、後は祖母の名義を父のものに変えるだけでそこまで難しい事はないと思います。しかし、今まで散々休暇を取り、父の収入も大きな打撃を受けました。有給休暇が新年度で復活するため、有給休暇を取り、それを取り終わったら介護休暇を取る、というやり方をしていますが、親の後始末をするために子供の収入が影響を受ける、子供も年金生活を目前として大変な状態でいるのにもかかわらず、親の協力を受けられない、というのは非常に大変です。一人っ子だからといって全てが楽というわけでは無いのです。
そのため、たとえお年寄りであったとしても、自分の配偶者が亡くなった場合はしっかりと名義変更をしておかなければいけません。体が動かないのであれば、子供に頼むなり、行政書士にお願いするなり、考えておかなければいけません。また、あまりにも高齢でそこまで考える余裕がないということであれば、自分が死ぬ前にしっかりと考えておくということも重要です。最近は自分が死ぬ前に子供たちの遺産相続について考えておくという人が増えていると聞きましたが、そのような動きは子供世代にとっても安心だと思います。
ちなみに、全てが祖父名義になっている状態でもしも祖母と私の父に何かあった場合、私が財産の相続人になります。その場合は祖母と父という2人の人間が間に絡んでくるため、私はもっと多くの手続きをしなければいけないところでした。一人っ子だから簡単ということではなく、しっかりと自分の財産は自分で手続きをする、という意識を持たなければいけません。それは親も子供も同じことだと思います。

 

遺産放棄の複雑さについて

実は、祖父の名義を祖母のものにする中で、1つ問題が生じました。実は、祖父が小さい時、祖父の父、つまり私の曾祖父が再婚したことで、祖父はそちら側の相続権も持っているらしいのです。そして実は、その再婚相手の実家がかなりの富裕層だったそうで、そちらに大きな土地があるらしく、その相続に関しても話し合わなければいけませんでした。ただし、あくまでも再婚相手のものであり、相続放棄をする方向で話を進めているそうです。その再婚相手の家族からも相続放棄をしてほしいと言われているらしく、私の両親もそれに異論は無いらしいです。
しかし、ここで問題なのはその張本人である祖父が既に他界していること、その配偶者である祖母も既におらず、祖父が相続するべきものは私の父に相続権があるということ、そして相続放棄には2人の署名と印鑑が必要であるということでした。つまり、私の父とその娘、さらには一人っ子である私の署名と印鑑が必要らしいのです。

財産放棄をする場合、印鑑証明と実印が必要になります。ただ単に署名をし、手元にある印鑑を押せば良いというわけではなく、それは実印でなければならず、印鑑証明も合わせて出さなければいけません。そして、それだけであれば問題は無いのですが、実は私は今現在日本に住んでおりません。
日本に住んでいないという事は住民登録をしていないということであり、住民登録をしていないという事は印鑑証明がないということになります。しかし、これは日本に住んでいないという家族が身近にない限りなかなか理解が得られない問題であり、私の父もよくわかっていないようでした。どうやら先方からは「娘さんに書類を送れば、署名と捺印をしてくれるかな」と言われたらしく、父もそのような感覚でいたそうです。ただし、実際には私には実印がないということになりますので、私は押せる印鑑がないのです。つまり、正式に財産放棄をするのであれば、私は日本に帰って住民登録を行わなければいけないということになり、それは簡単なことではありません。
まず、先方がそのような事実を理解していないため、私が日本に帰ってもそのタイミングで書類が来ないのです。どうやらいつでも財産放棄をしてもらえると思っているらしく、それ自体は問題ないのですが、私が日本にいる時でなければそれができないということ、さらには市町村によっては健康保険や年金の問題で短期の一時帰国の場合、住民登録を受け付けないという問題もあります。私が実家はそれなりに大きな街にありますので、特に短期の一時帰国であっても問題はないと言われました。市役所の人からも「歯医者に通いたいからということで住民登録する人もいますから大丈夫ですよ」と言っていただきましたが、私にはまだ幼い息子がいるため、住民登録をすれば予防接種等の説明も受けなければならず、何とも申し訳ない気持ちになります。財産放棄の話を聞いてから数回日本には戻ったのですが、だからといって話が来るわけでもなく、どうやら先方は実印登録や住民登録、海外に住んでいると実印登録がなされていない、などという感覚がないらしく、いまだに話が進まない状態です。

私としては、別にただ放棄するだけの話ですので問題はありません。先方にしても、決して今すぐに財産放棄をしてほしいと思っているもわけでは無いらしく、焦っている様子はありません。それにしても、何を言っても理解されない、海外在住の都合がなんとなく無視されている、というのは面白くない出来事です。
もっとも、祖父が亡くなって初めてこのような財産放棄の話が出てきましたから、決して焦っている話では無いのでしょう。できれば財産放棄をしてもらえばありがたい、といった程度なのかもしれません。しかし、祖父が亡くなった時にそちらから私の父に話が来た時、私たちが財産放棄をしなければその土地を受け継ぐことができない、だから出来る限り早急に解決したい、というスタンスで相談を受けたと聞きました。財産放棄をしてほしいと望んでいるのは向こうであり、こちらは
放棄します、と言っているわけですから、向こうからそれなりに書類を揃える努力をするべきだと思うのです。

今のところ日本に戻る予定はまだありませんので、私がいつ実印登録などを実行できるのかはよくわかりません。日本に戻ったところで書類が手元にあるとも限りませんし、こちらから再度問い合わせる気にもなりません。散々父が話を聞いていますので、後は向こうから何とかしてもらいたいと思っています。

しかし、最近はこのような、海外が絡んでくる問題もあると思います。確かに親がなくなれば財産の問題などでしっかりとした手続きをしなければいけなくなりますが、それでも子供にも子供の生活がありますから、いつまでも仕事を休むというわけにはいきません。また、子供が海外にいれば日本に戻るだけでも大変ですし、夫婦揃って葬儀に駆けつけるなどということもできない可能性があります。もっとも、私の両親に何かあれば私は日本に戻り、住民登録をした上で手続きをしなければいけなくなりますので、そのような面倒は重々承知なのですが…
先方は、私に書類を送って署名と捺印をしてほしいと考えていたようですが、もしも今のままなかなか連絡が来ず、ある日いきなり「すぐにでも署名と捺印をしてほしい」と言われたのであれば、当然ながら日本に戻るための交通費は出していただきたいと思っています。こちらは出来る限りの協力をするためにそれなりに説明もしましたし、後は向こうが理解をするかしないかの問題だと思っています。さらに、今の状態では私も子供がいますので、子供を置いて日本に戻ることができません。そのため、子供の分の航空券も向こうが負担しなければいけないということになります。わがままと言われればそうかもしれませんが、やはり財産が絡むと話は複雑になると感じています。

実際には、このような財産放棄をする人もそれなりにいるのではないかと思います。なんとなく、財産放棄なんてする人がいるわけないと思うかもしれませんが、そもそも財産放棄と相続放棄は話が別です。財産放棄というのは財産を放棄することであり、法的な制度の名称は存在しないらしいですね。財産放棄には相続放棄、相続する分の放棄、遺贈の放棄、共有特分の放棄、という4つの意味があるらしいですが、私の祖父の場合は相続放棄にあたるのでしょうか。これは法定相続人や包括受遺者が遺産の相続を放棄することと聞きました。確かに、今の時代は遺産などももらえるだけありがたいと思え、などと聞きますが、私の祖父のように家庭環境が複雑であったり、家族関係が複雑であったりすると、どうしても遺産を相続した方がなく、その遺産が現金ではないならばあっても仕方がない、などという考え方があるのかもしれません。

いずれにせよ、自分の家庭環境などは自分でしっかりと理解しておく必要があると思います。私たちは祖父が亡くなって初めてその祖父が権利を持っている土地について知りました。むしろそのような土地が存在することなど全く知らず、手続きが増えるなどという手間もあり、私の両親は相続放棄に同意したのです。両親からはそのように説明されていますので、私もそれに異論はありません。しかし、可能ならば生きている内から自分の家族がどのようなものなのか、自分はどの財産を受け継ぐ権利を有しているのか、そしてどんな財産を子供に分けることができるのか、しっかり考えておかなければいけないと思います。そうしなければ子供の世代が大変です。知らないところから遺産の話が出てきたら厄介な場合もありますので、生きているうちに自分の戸籍を確認して兄弟がいないことを明確にした上で、自分がどこの遺産を相続するのか家族と話し合っておく必要があると思います。

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相続で分からないことがあったら...

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