父は、会社を経営しておりましたが、生前対策をすることなく、無くなりました。父が亡くなる前、私は父の仕事を継いで、社長をしていました。この度、弟と父の遺産分割をすることになりましたが、弟から父の会社の株式はいらないから相場で評価してほしいと言われました。
　私としては、会社の株式は非公開株式なので、市場価値はないと考えています。
　ただ、父がほとんど株式を持っていたことから、私としては父の株式を全部取得したいというのが本音です。
　弟とどう交渉したらいいでしょうか。

弁護士の亀岡です。

あなたが何を重視するかで交渉の仕方が変わると思います。
あなたが何としても弟さんから株式を買いたいのであれば、株式の価格をきちんと評価して買いとるための交渉をする必要があります。
　ここで、非公開株式の価格の評価というのはとても難しいという点が問題となります。
　市場に流通している株式なら基準日を設けてその日の価格で合意するということが可能です。ところが、非公開株式は取引自体がないことから市場価格というものがありません。
それではどのように評価するのでしょうか。
　株式の価格については、様々な計算方式があります。純資産方式、収益方式、配当還元方式などです。計算については、顧問税理士などにご相談ください。
　なお、裁判所では、決まった方式で判断するわけではなく、会社の規模や資産等に応じて事例に即して裁判官の裁量で判断する傾向にありますので、ご注意ください。