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q遺留分と時効

母が亡くなり、父はすでに亡くなっています。父は妹と暮らしており、妹が介護していました。父の遺言にはすべて妹に相続させるという内容で、妹がずっと父を介護していたことから仕方がないとしぶしぶ納得しました。しかし、父の死から5年後、夫から遺留分があるからそれだけでも請求したらどうかと言われたので、請求をしようと思うのですが、可能でしょうか。

弁護士の亀岡です。

請求をすること自体は可能です。しかし、妹さんが遺留分侵害請求について、時効を援用すれば、あなたの請求は否定される可能性が高いです。
民法1048条によると、「遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。」とあり、相続開始と遺留分が侵害されていることを知ってから1年以内に行使しないと、時効で消滅するということです。
では、相続開始から10年以上たっても、相続開始や遺留分侵害を知って1年以内なら時効にならないのかという疑問が生じるかと思います。この点、同条の後段によると、「相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。」とあり、相続開始から10年たてば、知っているか否かいかかわらず時効により消滅します。
今回の場合、請求することはできますが、妹さんから時効だと反論されると訴訟を起こしても遺留分を支払ってもらうことはできません。

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