時には冷静な判断が必要
母が亡くなりました。父はすでに他界しています。
母の唯一の財産は、今住んでいる家だけです。私は母と暮らしてきました。
母は介助が必要な程度でした。
ある日、兄から母の遺産分割協議がしたいと言ってきました。兄の提案は、この家を売ってお金にした後に、私60%、兄40%で分けるというものでした。
兄は私を家から追い出したいだけなんだと思い、兄の申し入れを拒否しました。
すると、突然、家庭裁判所から母の遺産分割調停をするから来るよう呼び出しがありました。
調停で兄は、私65%、兄35%でいいと言っていますが、私は納得できません。
私はどうすれば兄の主張を拒否できますか。
弁護士の亀岡です。
調停においてお兄様の主張に対して拒否することはできます。
ただ、拒否した結果、調停が不調となり、審判に移行した場合のリスクをしっかり踏まえる必要があります。
調停は、当事者間で合意ができなければ成立せずに終わります。
しかし、調停が不調になった後、審判に移行した場合には、当事者間の合意が得られなくても裁判所が判断を下します。
その判断が、調停で出された案よりも悪条件ということも少なくありません。
そこで、まず、冷静になり、もし、お兄様の提案を拒否した場合、自分はどのような状況になるかということを分析してみてください。
遺産分割協議や調停は時に感情的になることは多くあります。
その結果、解決が遠くなることも少なくありません。
しかし、一度冷静になって考えてみると、何が争いになっているのか、自分は何を求めているのかがはっきり見えることがあります。
一度弁護士に相談をしてみると、冷静に事件を分析できるようになるかと思います。