二人以上からの依頼
私たちはもう一人の兄弟と母の遺産分割協議をしたいのですが、まったく応じてくれません。
そこで、弁護士に遺産分割調停をお願いしたいのですが、二人同時に依頼することは可能でしょうか。
私たちは、母から見ると、長男と長女、相手は次男です。
長男の希望は母名義の不動産の取得、長女の希望は母名義の預貯金です。
弁護士の亀岡です。
弁護士が依頼を受けること自体は可能です。ただし、事件を受ける際、条件やお二人の間で利害対立した場合について説明を受けることになります。
今回の場合、ご長男とご長女の間で、不動産の金額について利害対立する可能性が十分あります。
ご長男としては不動産の価値をできるだけ低く評価したいと思いますし、ご長女としては逆に高く評価したいと考えるのが普通でしょう。
従いまして、少なくともお二人の間で、不動産の評価を決めた上で依頼したほうが良いと思います。
そのうえで、やはりお二人の間で利害が対立した場合、弁護士としましては、弁護士職務基本規定42条において「事案に応じた適切な措置をとならければならない」とあることから、お二人の間での利害対立について解消を図るか、それが困難な場合は、最悪辞任せざるを得ないことになります。
よって、複数で弁護士にご依頼いただく場合は、このような事態が生じることがあることをご理解していただければと思います。