遺言執行者に依頼したい
母が亡くなりました。母は遺言を書いており、私にすべて相続させるという内容でした。遺言執行者には母が遺言作成を依頼した弁護士が就任しました。
ところが、もう一人の相続人である姉が遺言は無効だと主張し、訴訟を起こしてきました。
私は、遺言執行者である弁護士を信用しているので、その弁護士に訴訟をお願いしたいと考えています。
依頼できませんか。
弁護士の亀岡です。
結論から申し上げますと、お母様の遺言執行者である弁護士に依頼しても受任してくれないと思います。
遺言執行者はお母様の遺言に沿って実現するために任務を行う関係で中立的な立場にあります。そのような遺言執行者の立場からするといずれか一方の相続人の代理人になることはできません。
実はこの問題は、非常に難問とされており、弁護士法や弁護士職務基本規程などに直接制限されているものではありませんが、遺言執行者という立場からすると、中立性、公正性への信頼確保などを理由に利益相反行為に当たりうるとして受任すべきでないとされています。
従いまして、遺言執行者である弁護士に依頼しても受任してもらえません。