始期付所有権移転仮登記とは
[ その他 ]
Q:
兄が死亡しました。兄には内縁の妻がいましたが、子供はいませんでした。内縁の妻とは別れたという話も聞いています。兄には預貯金がほとんどありませんでしたが、持ち家がありました。私は兄の唯一の相続人でしたので、兄の持ち家の名義を私に変えようと思い、持ち家の登記簿謄本を取り寄せたところ、「始期付所有権移転仮登記」というものがあり、兄の内縁の妻に贈与する旨が書かれていました。これはどういうものでしょうか。私に名義変更するだけで問題ないでしょうか。
A:
弁護士の亀岡です。
始期付所有権移転仮登記のほとんどは、死因贈与契約に基づく登記です。すなわち、今回の場合、お兄様が死亡したことを原因として、お兄様名義の不動産を内縁の奥様に名義を移すための仮登記です。仮登記がないと、お兄様が売ってしまうと奥様がお兄様名義の不動産を取り返すことが非常に難しくなります。そこで、仮登記を入れることで、万一、お兄様が第三者に売ったり、お兄様が死亡した後に事情を知らない相続人が相続人名義に変えたとしても、対抗できるようになります。従いまして、お兄様の不動産をあなたの名義に変えたとして仮登記により内縁の奥様に対抗できない可能性が高いと考えられます。
このような場合は、内縁の奥様を見つけて話し合いをしてください。