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遺言書作成を弁護士に依頼するメリットと費用

コラム

 

1.遺言書作成を弁護士に依頼するメリット

 

まず、弁護士に遺言書の作成を依頼するメリットを9点お伝えしたいと思います。

 

1点目は、遺言書が無効になるリスクが極めて低いということです。

 

例えば、自筆証書遺言の場合には、全文自筆で作成したうえで、日付、署名押印が必要となりますが、その方式に不備があり、遺言書が無効になってしまったという事例が少なくありません。
遺言書をパソコンで作成しているもの、自分自身ではなく他人に書いてもらったもの、日付が抜けているもの、押印がないものなど過去に無効になった事例は多数あります。
弁護士に依頼することで、遺言書を作成していただいた際に、民法等に従った方式でなされているか否かを確認いたしますので、万一不備があっても民法等に従った方式通りになるよう適宜対応できます。
また、民法の方式に従っており、遺言自体は有効なのに、相続手続きをする際に使えなかったというケースも少なくありません。
相続人に対しては「相続させる」と書き、相続人以外には「遺贈する」と遺言書に書くことが一般的ですが、中には「任せる」「一任する」等と書いてあった結果、せっかく遺言書を書いてもらったのに名義変更できなかったという事例も有ります。
また、相続・遺贈の対象となる人物を生年月日などで特定せず、名前だけを記載したことで、対象となる人物が特定できないという理由で名義変更できなかったという事例も存在します。
方式が違法であったり内容があいまいであったため、結局、相続人同士で遺産分割協議をすることになったということは意外と多くありました。

 

2点目は、遺言書でできることが何か、できないことは何かをお伝えすることができます。

 

遺言書をもってすれば何でもできるというわけではなく、できることは法律で決まっています。
遺言書でできることは法定遺言事項と付言事項の2つに分けて考えることができます。
法定遺言事項とは、遺言書により強制的に法律的な効果が生じる事項のことをいい、民法などの法律によって定められています。

法定遺言事項は

①相続に関する事項

②財産処分に関する事項

③身分に関する事項

④遺言執行に関する事項

などがあります。

ここでは遺言書を作成する際に頻繁に関わってくる①と②ついて説明いたします。

 

①相続人に関する事項は、相続分の指定、遺産分割方法の指定、配偶者居住権の設定などです。相続分の指定というのは、相続人の相続分を遺言者が決めるということです。例えば、法定相続分ではAとBが2分の1ずつであるのに対して、遺言者がAに3分の2、Bに3分の1の割合で相続させるという遺言をする場合です。
遺産分割方法の指定は、それぞれの遺産を誰が取得するのかを遺言者が決めるといいうことです。例えば法定相続分ではAとBが自宅と預貯金につき、2分の1ずつ持分があることに対して、遺言者が自宅はAが相続し、預貯金はBが相続するという遺言をする場合です。
配偶者居住権の設定は、配偶者が遺言者の死亡後も問題なく自宅で生活できるように設定するものです。遺言者に前の配偶者との子供がいる場合に検討するケースが多いです。

 

②財産処分に関する事項ですが、主に包括遺贈と特定遺贈があげられます。
包括遺贈とは、遺産の全部または一部を一定の割合で示して行う遺贈のことを言います。包括受遺者は相続人と同一の権利・義務を有することになります。つまり、相続人以外の者に対して、遺言者が相続人の地位を与えるものとなります。一般的には、相続人の子供など親族に対して行われることが多いように思います。
一方、特定遺贈とは、特定の具体的な利益を遺贈することを言います。他人に対しては特定遺贈でなされることが多いように思います。
法定遺言事項以外のことは遺言ですることは出来ません。例えば一部の相続人の遺留分を奪ったり、他の相続人との接触を禁止すると言ったことは出来ません。
次に付言事項についてですが、遺言者が遺言事項ではない事項について遺言者の認識や考えを記載したものとなります。
その内容に制限がありません。
制限がない代わりに法的効力が生じないことを忘れないでください。
では、まったく意味がないというと、決してそのようなことはなく、付言事項を記載することにより、相続人が遺言者の意思を尊重して、遺留分侵害請求をしなかったという事例も有ります。

 

3つ目ですが、遺言書を考案する手間が省けるという点があります。

 

遺言を残そうと思うけれどどのような遺言を書いたらいいか、また、どのように記載したらいいかがわからないから遺言書を書くことを諦めたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、漠然とは書きたいことは浮かんでいるけれど、それをどのように記載したらいいかがわからないという方が多いように思います。記載の方法があいまいで名義変更できなかったという事例も有ります。遺言者の思いや考えをお聞きしたうえで、弁護士が文章化いたします。このメリットはかなり大きいのではないかと思います。
また、公正証書遺言を作成する場合、事前に公証役場に提出する書類を用意する必要があります。その手間も、弁護士に依頼することで弁護士がある程度用意することができます。

 

4つ目は、適切な遺言方法の選択をすることができます。

 

主に使われている遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言です。それぞれにメリットデメリットがあります。
自筆証書遺言のメリットは安価に短時間で作成できます。一方、デメリットは紛失の可能性、無効になるリスク、家庭裁判所での検認の手続きが必要という点です。
公正証書遺言は全く反対で、デメリットは公証人への手数料が発生するので数万円かかることが多く、公証人の都合により依頼から作成まで時間がかかります。その代わりメリットは、紛失しても公証役場に申請すれば再発行が可能、公証人が作成する以上無効になるリスクが極めて低く、家庭裁判所での検認の必要がありません。
どちらにしたらよいか迷っている方には、その方のニーズに沿った方法をご提案できます。
とにかくすぐに作成したいという方には自筆証書遺言、紛失のリスクをなくしたいという方には公正証書遺言というようにご提案いたします。場合によっては両方をお勧めすることも有ります。

 

5つ目ですが、ご自身の現在の財産を把握することに役立つ場合も有ります。

 

遺言書を作成する際、ご自身の財産を把握することから始めることが多いのですが、不動産、預貯金、有価証券など、ご自身が把握している財産の確認とその財産が現時点でどれくらいの評価になるのかということも確認いたします。
時々ご自身の財産だと思っていたら名義変更が未了で、先に遺産分割調停をすることになったというケースも有ります。不動産の持分割合もご自身が思っていた割合と違っていたというケースも有ります。
預貯金であれば残高照会、不動産であれば名寄帳、有価証券なら直近の評価額などを取得して評価します。
相続財産額によっては税理士同席のうえでどのような遺言にするかを検討するという場合も有ります。その場合、当所と連携している税理士をすぐにご紹介できます。

 

6つ目ですが、遺留分に配慮した遺言書をご提案できるという点です。

 

ただし、あくまで配慮であり、遺留分自体をなくしてしまうことは出来ないということはご留意ください。
例えば、遺留分の侵害にならない程度の相続分の指定や遺産分割方法の指定の提案ができます。
また、遺留分を侵害するけれど、どうしても取得させたい財産があるという場合の相談も承ります。例えば、同居している子に自宅を相続させたいが、自宅と他の財産を比較すると自宅の価値が他の財産より大きく上回るというケースです。

 

7つ目ですが、遺言の執行を弁護士に任せることができるという点です。

 

遺言書を作成しても、遺言書通りに財産移転ができなければ遺言書を作成した意味は有りません。しかし、相続人が具体的にどのような手続きをすれば名義変更等ができるのかわからないという事態もあります。そこで、遺言執行者を弁護士に指定するという方法があります。
弁護士は法律の専門家ですので、遺言執行のために何をすればよいかわからないということは有りませんので、通常は遺言の内容を実現することができます。
遺言書によっては、遺言執行者が指定されていなかったことで、改めて遺言執行者選任申立をする必要が生じたということはよくあります。

 

8つ目ですが、遺言のトラブルを相談できることです。

 

これは

①相続トラブルの予防

②現実にトラブルが発生した場合

の対応の二つに分けて考えることができます。

 

①相続トラブルの予防ですが、今お考えになっている遺言書の内容が実現した場合に、相続人や受遺者との間でトラブルになるか否かというシミュレーションすることができます。
例えば自宅を長男に相続させた場合にどうなるかや預貯金を長女に多く取得させた場合、遺留分を侵害する場合の対処手段があるかなどが考えられます。

 

②現実にトラブルが発生した場合ですが、例えば、法定相続分よりも遺言書で書かれた内容のほうが少ない相続人から、遺言書が無効であると主張されることはあります。
このような場合には、作成に関与した弁護士が遺言者の意思確認をしたことなどを伝え、相続人に理解してもらうということもあります。

 

9つ目ですが、遺言書を書き直したいときにすぐに対応できる点です。

 

遺言書を作成した後に、人間関係が変わったり財産が大きく変動したりすることは意外と多くあります。このような場合には、以前に弁護士が遺言者の家族関係や財産などを把握しいることから、一から作り直すよりもずっと短時間で遺言書を作成し直すことができます。
このように、弁護士に遺言書の相談や作成を依頼するメリットはたくさんあります。

 

 

2.遺言書作成の弁護士費用

 

遺言書作成に関する弁護士費用はおもに

①相談費用

②遺言書作成費用

③遺言執行費用

に分けることができます。

 

①相談費用は、30分あたり5000円(税別)となっています。遺言の相談時間は1回あたり30分から1時間くらいが多いです。

 

②作成費用ですが、どのような遺言書にするかにより異なります。
単純な遺言書でしたら10万円(税別)~20万円(税別)ですが、遺産が多岐にわたる場合などはそれ以上必要なる場合もございます。
戸籍謄本や残高証明書などの取得費用や公正証書にする場合には公証人への手数料が別途かかります。

 

③遺言執行費用ですが、遺言執行時の財産額により異なります。
300万円以下の場合は30万円(税別)
300万円を超え3000万円以下の場合は2%+24万円(税別)
3000万円を超え3億円以下の場合は1%+54万円(税別)
3億円を超える場合は0.5%+204万円(税別)

 

 

3.遺言書作成の流れ

 

①遺言書の必要性の有無やその内容についての確認

まず遺言書を作成すべきか否か、作成すべきとして誰にどのような財産を相続遺贈させるか、ご自分にどれくらい財産があるのかなどを確認しながら打合せします。
また、自筆証書遺言にするのか公正証書遺言とするのか、場合によってはまずは自筆証書遺言を作成し、その後、同じ内容の公正証書遺言をするのかなどの選択も検討いたします。

 

②遺言書案の提示
作成したい内容がある程度まとまりますと、自筆証書遺言の場合は、弁護士が遺言書案をご提案します
公正証書遺言の場合には、弁護士が公証人へ送る遺言書案を作成し、問題がなければ公証人へ遺言書案をお送りします。その際に、必要な資料も公証人へお渡しします。その後、公証人から遺言者が公証役場に行く日または公証人に来てもらう日の日程調整が行われます。遺言書の作成
自筆証書遺言の場合は、ご自分の手で作成していただき、方式が満たされているか否かをチェックします。問題がなければ封をして、予め決めていた方に遺言書を保管してもらいます。
公正証書遺言の場合は、作成当日、公証人が遺言書を読み上げ、問題がなければ自筆で署名捺印していただきます。

 

 

4.まとめ

 

以上より、弁護士に依頼するメリットとして、

 

①遺言が無効になるリスクが極めて低いということ
②遺言書でできることが何か、できないことは何かをお伝えすることができること
③遺言書を考案する手間が省けること
④適切な遺言方法の選択をすることができること
⑤ご自身の現在の財産を把握することに役立つ場合が有ること
⑥遺留分に配慮した遺言書をご提案できること
⑦遺言の執行を弁護士に任せることができること
⑧遺言のトラブルを相談できること
⑨遺言書を書き直したいときにすぐに対応できること

 

以上から、遺言書を作成しようとお考えの方はぜひ弁護士にご相談ください。
もちろん、弁護士以外でも、銀行や司法書士、行政書士に相談したり依頼したりすることは可能です。しかし、弁護士は、遺言書作成に限らず、紛争防止、紛争後の相談など相談から執行、解決までワンストップで解決できます。

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